緑黄色野菜がなぜ必要か?

グリーン(緑黄色野菜)がなぜ必要なのかについて、「グリーンスムージー」を考案したヴィクトリア・ブーテンコの考え方が参考になります。著書「グリーン・フォー・ライフ」ブーテンコ著山口蝶子訳高木書房では、グリーンが人間にとって最も重要な栄養素である理由が書かれています。家族全員(夫、娘、息子、自分自身)の病気に悩み、「ローフード(加工されていない生の食材を用いた食品を摂取する食事法)」にたどり着きます。フルーツやナッツ、種子、穀物を中心にした7年間のローフードの食事は、家族全員の健康状態を飛躍的に改善させ病気を完治させました。しかし、ローフードの生活を続ける中で、体が足りないものを感じ始めます。その足りないものこそ「グリーン(緑の葉の野菜)」でした。この経験を経て、ブーテンコは栄養学的に文献を研究し、農業を研究し、食品科学を研究し、「すべての人に共通する、栄養のニーズを満たす食品群は、グリーンだ」という結論にたどり着きます。

グリーン・フォー・ライフ ブーテンコ著

チンパンジーの食生活に学ぶ

チンパンジーは人間に一番近い動物として、われわれが学ぶべき点があります。彼らはいったい何を食べているのでしょう?これを知ることで人間が本来どのような食生活を送っていたかの参考になります。野生のチンパンジーは何を食べていたか。食事の50%は「フルーツ」。そして、食生活の40%が「グリーン」と「花」でした。グリーンとは葉野菜のみで根菜類やきゅうり、トマトなどは含まれません。昆虫や動物は食生活全体の1%を超えることはなく、長期間動物性タンパク質を食べていなくても健康に害が出ることはありませんでした。どうやら、チンパンジーは大量の「グリーン」を必要としているようです。

「グリーンスムージー」誕生!

人間の体はグリーンを欲している。著書では、このコトを栄養学的に文献を集め、グリーンの食物繊維、自己治癒力の改善、胃酸との関わり、体をアルカリ性にすること、土壌と栄養、クロロフィルの効果、などについて検証し、なぜグリーンが人間にとって必要かを検証していきます。

共感

2014年4月にこの本に出会い、多くの部分で共感を覚えました。特に、チンパンジーの食生活は衝撃的でした。人間とチンパンジーを比較することは乱暴かもしれませんが、人間が進化の過程で受け継いでいるものを知ることや、直近である縄文時代の日本人の食生活を知ることなどは、われわれがなんとなく感じている「野菜をたべなくては」といった潜在的感情やお母さんから伝承的に云われている「野菜を食べるのよ」といったことと、どこか根源的につながっているのではないかと思います。

青汁やスムージーにつながるもの

グリーン、緑黄色野菜の効能を記した書籍・文献は、もちろん多数あります。これらの中から、共通している部分を見出し、われわれの健康や食生活に役立つ食品を作りたいものです。この本を当時、ワクワクして夢を抱きながら読んだのを思い出します。「植物(ぷらんつ)ができることは、もっとある」と思いながら。